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執筆者の写真Masahiko Yamamoto

「RIDE189 CHIBA MEETING」を開催

更新日:2022年11月24日


 私たち一般社団法人ピースメーカーが、月刊オートバイ誌を発刊する株式会社モーターマガジン社と共催で、児童虐待防止の啓もうと児童虐待緊急通報ダイアル189(イチハヤク)普及と、コロナ禍からの観光地復興支援のために、今年3月11日(金)から千葉・宮城の2県にまたがって開催してきた社会貢献型のツーリングラリー「RIDE189」。

 11月12日(土)~13日(日)の2日間に渡り、千葉県夷隅郡にある大多喜総合運動公園において、そのゴールイベントとなる「2022 RIDE189 CHIBA MEETING 」以下RIDE189千葉という)が開催されました。

 このイベントは、これまで8か月間走り続けてきたライダー達と、開催を支援してくださった皆さんへの感謝を表す感謝祭。

 広々とした会場には多くの協賛企業様の出展ブースも立ち並び、地元大多喜町全面協力の下、盛大に盛り上がりました。

 


こんな夜があってもいい

 11月12日は大多喜総合運動公園のサッカーグラウンドに「RIDE189キャンプ場」が出現。

 翌日のミーティングイベントを前に、こちらで「夜会」と称した前夜祭キャンプを行いました。

 実はこの場所、普段はきれいに整地されていて、火をたくことはもちろん、ペグ一本打つこともご法度の場所なのですが…。

 大多喜町はバイカーに優しい街づくりを政策に掲げる町。

私たちピースメーカーの活動にご賛同いただいている大多喜町の平林 昇 町長の鶴の一声で、広大なキャンプ場として利用させていただけることになりました。


 大多喜ならではの味わい

 宵が深まれば、だんだんお腹もすいてくるというもの。

この日は道の駅喜楽里からBigoneのキッチンカーも出動してリキュール類の販売を行ったのに加え、ツーリングキャンプ初心者でも楽しめるよう、ふんだんなお肉と地元いすみの魚介が用意され、盛大にバーベキューを楽しみました。

 さらに、この夜は、地元大多喜で醸造されている「大多喜麦酒 」さんがご出店。

 今回はマスカットビールなど5種類のビールを楽しめたほか、本場アメリカンメソッドで仕込まれたBBQスペアリブも楽しむことができました。


 房総の叙情あふれる竹灯籠

 RIDE189キャンプ場には、美しい竹灯籠が設置され、ライダー達の目を楽しませていました。

 これは、かつてピースメーカーのメンバーがツーリングで出逢い、その美しさに感動したという勝浦市のイベント「里の灯り」の灯り。

 ご来場の皆さんにも、房総の豊かな叙情を醸し出す竹の灯りに心を揺らしていただこうと、勝浦の方々にお願いをして設置していただいたものです。


そんな環境の中でくつろぐライダー達。

 ソロで一人静かに焚火を見つめたり、グループで、新たに繋がりをもった仲間とバイクを肴に話が弾んで大いに盛り上がったり。

星空の下、各々のスタイルでキャンプツーリングならではの醍醐味を味わっていたようです。


ゴールに向けて動き出す

樹々の向こうから昇る朝日

 そうして豊かな夜が明けた13日の朝。

猛烈に雨が降るという天気予報に身構えていた参加者たちでしたが、朝日が暖かく私たちを照らしてくれたのは実にラッキー。




早朝からスタッフたちは、午前9時の開場に向けて最終の準備に動き始めました。

 そうして準備も整い、いよいよ9時、開場時刻の到来。

 誘導スタッフも配置につき、様々な地域から続々と集まるライダー達を迎え入れます。

 先ほどまでキャンプ場だったグラウンドは、広大な駐輪場に早変わり。

次々とやってくるバイクたちが整然と並べられていきます。

今回の来場者は459名。

実に壮観な眺めです。


感染対策もしっかりと

 もちろん、入場に際しては、手指消毒や検温などの感染対策を徹底。

 リスクとの付き合い方を知るライダーだからこそ、こうしたことには皆さん協力的で、これは運営陣としてもかなり助けられました。


子どもたちと街のために

 そして、ご来場の皆さまには大多喜町の文字をモチーフにあしらった特製スタンドプレートなどを参加記念品として進呈したほか、

 児童虐待緊急通報ダイアル189(いちはやく)の啓もうパンフレットも配布。

 ちなみにこの特製スタンドプレートは地元大多喜町の福祉授産所で障がい者の方々が造ってくださったもの。

 そして189の啓もうパンフレットは、イベントの趣旨にご賛同いただいた厚生労働省子ども家庭局様より直接お送りいただいたものです。

 こうしてすべてのご来場者様に児童虐待緊急通報ダイアル189(イチハヤク)の周知に努めながら、地元の福祉にも貢献することができました。


協賛各社様の出展ブースも忙しく動き出し、会場がにわかに活気づいていきます。


開会式

 こうして会場の活気が次第に温まっていく中、2022 RIDE189 MEETING IN CHIBAがいよいよ開会の時を迎えました。


開会式ではまず、主催者として一般社団法人ピースメーカー代表理事の道家 尚巳が挨拶。

 私はこの業界の著名人でもないですし、もちろんプロライダーでもない。いちハンバーガー屋のいちバイク乗りです。

 ですので、バイクに乗ってこんなに大きなイベントができるなんて、今まで考えたこともなかったんです。

 千葉・宮城の両県にまたがって行ってきたこの活動。

このすべてにご参加になられたという方も数々おられますし、また、なかなか回り切れなかった方という方もいらっしゃいます。

 とにかくこの8か月半、同じ志、同じ思いでこのようなイベントができ、共に走れたこと大変を誇りに思います。

 この活動を続けてきたの中で、ご参加の皆さんやご協賛の企業様、そして関係団体の皆様から「本当に良かった、ありがとう」というご賛辞をたくさん頂戴しました。

 今日のイベントは、こうして私たちの活動に関わってこられたすべての方々、そして地元大多喜に集まってくださる皆さんのために、何か楽しいことができないかと、このような場を準備させていただいたもので、最大限の感謝と最大限の称賛を表すことができるイベントにしたいと思っていますので、どうぞ最後までゆっくりと楽しんでいってください。


と、来場されたすべての人への感謝を述べました。

                                           


 次にご来賓として、地元大多喜に本社を置くいすみ鉄道の古竹孝一社長がご登壇。

 バイクのイベントに鉄道会社が来てどうすんだ?

なんて言われそうですね。(笑)

 私は道家さんの飲み友達で、以前から仲良くさせてもらっていて、一緒に活動させてもらってます。

 ところで、皆さんはいすみ鉄道って乗ったことありますか? (挙手を求めて)アハハハ。

ご覧通り、少ないんですよ。

 でもなんとか第3セクターとして残っていきます。

鉄道もモビリティーとしてとらえていただければ(バイクの皆さんの)仲間なので、これからもよろしくお願いいたします!


 と、和やかなにも自虐的にも聞こえるご挨拶ですが、いすみ鉄道の決意とモビリティーを主体とした地元の将来について語られた素敵なスピーチだったと思います。

 古竹社長はこれまでも、様々な町づくり活動にも積極的に参加されてこられた方で、かつてピースメーカーが主催した鉄道とコラボした地域活性化-キックオフイベント2019年4月「バイクトレインイベント」に全面協力をいただき、今回のイベントにもご協賛いただきました。

 また、古竹社長は現在、私たちの活動の他にも、歌手のさだまさしさんが主宰する「風に立つライオン基金」で理事長を務められ、災害支援や社会に貢献する人への応援活動も行っていらっしゃいます。

                                            


続いて大多喜町副町長の西郡栄一様がご登壇。

大多喜町は平林町長の下、「住んでよし」「訪れてよし」のまちづくりを進めています。

その中の「訪れてよし」の一つが、バイカーの皆様に優しい街づくりで、「千葉に来たら大多喜に寄って行こう!」

と、バイカーの皆様に愛されるような街づくりを行っています。

 大多喜町は徳川四天王の一人、本多忠勝10万石の大多喜で、渓谷は養老渓谷に粟又の滝、そして何より、バイカーの皆様を大歓迎している道の駅・喜楽里がございます。

 どうぞ養老渓谷で美味しいものを食べて温泉にも使って楽しんでいただきたいと思います。


と、バイカーフレンドリーな町大多喜をアピールされました。


今回のイベントは大多喜町が全面協力をいただいて実現したもの。

会場については先述の通り、平林 昇 町長の多大なご理解あってこそ。

大多喜町は西郡副町長のおっしゃる通り「バイカーに優しい街づくり」を推進する町なので、まだ行ったことがないという方は是非、大多喜城や養老渓谷に遊びに行ってみてください。

                                           


そして、この後にご登壇されたのは千葉県児童福祉施設協議会理事の森田雄司さん。

 189(イチハヤク)は、家庭で暮らすことができない子どもたち、虐待を受けている子どもたち、こうした子どもたちを助けたいという思いで、7年前から始まったものです。

 実はそれより前の14年前に、道家さんから私が園長を務めるいすみ市の小山ホーム児童養護施設の子どもたちにサンタライダーとしてプレゼントを届けたいというお申し入れがあってので来ていただいたんです。

 その時は60台のサンタのバイクで私たちはびっくりしたのですが、その後道家さんから、「児童虐待のために何かお手伝いがしたい。」というお話をいただいたんです。

 私はかつて神奈川の児童養護施設に勤めていたのですが、そこでは施設の職員が毎年オレンジのたすきをつなぐ駅伝大会をやっていましたが、『千葉ではもっと児童虐待防止についての社会的なアピール力が高い方法を』と考えていた中で、オレンジバイカーズ活動を行っていただくことになったわけです。

 今年からさらにこの活動が宮城でも始まったということで、189(イチハヤク)を広める活動が広がりを見せているのは実に素晴らしいこと。

皆様方のおかげです。

 この活動が、児童虐待を食い止める、その象徴になってほしいと思っています。

今日は一日楽しんでいってください!

 宮城県庁前でご挨拶をされた  森田さん 今年9月撮影

と、189を冠する私たちの活動の成り立ちについてお話され、今後への期待を述べられました。

 ご本人のお話にもありますが、森田さんはオレンジバイカーズの活動の草案時から関わってこられた大切な方。

 前回9月のRIDE189 MEETING IN MIYAGIにも、わざわざ宮城県庁まで駆けつけてくださり、ご挨拶をいただきました。


                                           


この後はメディア様からのご挨拶


 ふくろうFMのDJユースケさんとRIDERS CLUBの吉田祐介さんがそろってご登壇。

DJユースケさん(左)とRIDERS CLUBの吉田祐介さん(右)

 先日私どもの番組に道家さんがご出演くださいまして、そのご縁で今回お招きに預かりました

 FMふくろうは八千代市のコミュニティーFMで、今年開局5周年を迎えました。

 私たちの番組は、毎週日曜日の朝8:30から生放送で、完全バイク専門番組として放送しています。

 放送開始から1年、バイク専門の番組が無い中「全開オートバイラジオRIDERS CLUB」として放送していますので、是非聞いていただいてオートバイ業界を盛り上げていきましょう!


 ふくろうFMさんは、JCBAインターネットサイマルラジオ を通じて全国で聴取可能ですので、八千代市以外にご在住の方も、是非リスナーになってみてください。

 

MCはおなじみのお3方

 会場MCは、月刊オートバイ誌で活躍する神社ソムリエの佐々木優太さんと、同じく活躍中のアイドル、国友愛佳さんと竹川由華さん。

 佐々木さんは落ち着いた声のトーンで、そして国友さん竹川さんの輝くスマイルでステージを盛り上げました。

 更にキックオフイベントにも来てくれた「コツメカワウソの妖精ちいたん☆」も登場。

会場を飛び回り、ライダー達を楽しませていました。

 

「RIDE 189 KRSスーパーダイジェスト」を開校


 当日の会場には、モビリティーブースが設けられ、こちらではモーターサイクルジャーナリストの柏秀樹さんによる「RIDE 189 KRSスーパーダイジェスト」と題したライディングレッスンが開催されました。

 多くの人は「自分は安全運転」をしていると思ってバイクを運転しているわけですが、実は、バイクの自然な動きを知らず知らず阻害して、危険な運転をしていたり、疲れやすい姿勢で運転しているのに気づかず、安全運転のつもりが漫然運転に…。

 柏さんのKRSレッスンは、パイロンや一本橋で根性を鍛えるタイプではなく、実際のツーリングシーンを念頭に置き、ライダーに身に着いた「癖」を正して、ライディングを最適化するタイプのレッスン。

 バイクにもライダーに負担をかけず、無駄のないスマートで安全なライディングスキルが手に入るのが特長です。

 今回は事前に募った参加者と共に会場からミニツーリングに出かけるツーリングレッスンで、参加者からは、「ためになることが多く、参加してよかった」といった喜びの声がありました。

 

「RIDEバンド」が開場を熱くする

 ステージ上のライヴアクトは、昨年12月をもって惜しまれつつ活動を終了してしまったvivid undress (ヴィヴィッド アンドレス)の改編バンド!各々が業界で活躍するスペシャリストを集めて、この日だけために結成!その名も「RIDE189 Special BAND」によるRock show。

 私たちピースメーカーとも関係の深い、千葉テレビ「週刊バイクTV」のエンディング・テーマソング「さよならジレンマ」は彼らの代表曲の一つ。

 今回は “Bone to be wild”など往年のロックナンバーを次々に演奏しながらプレイスキルの高さをアピール。 

 ケニー(写真中央)をボーカルに迎えて歌われた「さよならジレンマ」が、会場の熱をブーストアップしました。

 

公開抽選会で盛り上がる

 RIDEバンド(vivid undress改)による熱いLIVEステージが終わると、ステージ上にはRIDE MCの3人が登場。

 ライダー達と共に公開抽選会で盛り上がりました。

 参加者が会場で身に着けるリストバンド(受付にて配布)には、ナンバリングされていて、ステージで読み上げられた数字と一致すると、豪華景品がもらえるようになっています。

 今回用意された景品は、ご協賛各社様よりご提供いただいた多数のアイテム。

なかなか手に入らないレアアイテムも含まれており、抽選会も大変な盛況ぶりでした。

 

急な雨に見舞われて


 朝は青空が広がった大多喜町。

しかし、その空も気が付けば雲に覆われて、「雨は15時以降から」という予報への期待もむなしく、昼前に降り出して本降りの雨に。

 当初の予定では14:45に閉会式を行う予定でしたが、参加者帰路の安全を考え、予定を繰り上げて12:30に閉会式を行い、13時には全日程を終了することとなりました。


閉会式

 そぼ降る雨の中で行われた閉会式では、主催者挨拶としてピースメーカー理事の斎藤 芳己が登壇。

 8か月間多くの方々にご協力をいただいて走り続けたRIDE189も本日をもって終了となります。

 「みんなの走りが誰かの役に立つ」そういったイベントであり続けられるよう、次回はもっとパワーアップしていくので、皆さんには是非またご参加いただきたいと思います。

 8か月間、本当にありがとうございました。


と、長きにわたってこのイベントにご参加いただいた方々へ、感謝の気持ちを述べました。


そして最後に、代表理事の道家 尚巳もステージに立ってこれまでを振り返りながら、

 2019年にピースメーカー主催で実施した「房総ツーリングラリー(BTR)」から構想2年。

宮城の仲間も加わって、ここまで大きなイベントにすることができました。

 バイクのイベントなので、ライダー以外の一般の方から何か言われることも覚悟はしていましたが、この8か月間、街の方からも、警察署からも、事故や騒音、そういったクレームは一件もありませんでした。

 そればかりか、「走る意味を持たせてくれてありがとう」と、感謝の気持ちをしたためて送ってきてくださる方が何人もおられたんです。

 ですから、今日はこうして走り続けてきてくださった皆さんに、心から「ありがとう」と言わせてください。

 このイベントに様々な形で関わり、お支え頂いた協賛各社・自治体・団体の皆さん。そして、ご参加いただきましたライダーの皆さま、本当にありがとうございました!


誰からとでもなく、会場からは拍手が。


3月11日に宮城でスタートしたこのイベントは、盛況のうちのゴールを迎えました。


児童虐待防止、そのゴールはいまだ見えず


 こうして2022 RIDE189 CHIBA MEETINGの終了をもって、RIDE189はすべての日程を終えたわけですが、このイベントは、バイクの力で児童虐待防止を社会に啓もうするイベント。


 残念ながら、児童虐待は下記の表のとおり、児童相談所での相談件数が毎年過去最高を更新し続けて、ここ20数年の間、その数が減少に転じたことがありません。

参照元、厚生労働省 「令和3年度 児童相談所での児童虐待相談対応件数(速報値)」

 

 昨年度わが国で虐待によって奪われた幼い命は57人。(うち29人が無理心中)※

※参照元;子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第18次報告)の概要

社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会【令和4年9月】https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/01.pdf


 児童虐待のすべてを止めるのが無理だったとしても、せめて虐待死の数を減らしたい。


 イベントは終わっても、ゴールは未だ見えず。


 私たち一般社団法人ピースメーカーは、この表の数にも表されず、未だ虐待に耐えながらひっそりと暮らしている子どもたちのために、その必要がなくなるまで走り続けます。


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