top of page
執筆者の写真Masahiko Yamamoto

令和5年度Peacemaker宮城オレンジバイカーズ活動 開催レポート


 2023年9月3日、バイクの機動力を活かしながら児童虐待防止活動を展開する「Peacemaker宮城オレンジバイカーズ活動」が、今年も宮城の街を走りました。

 オレンジバイカーズ活動は、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」の利用促進と、児童虐待防止の啓もう活動を行うバイクツーリングで、社会貢献を行う一般社団法人Peacemakerが県・市の行政から後援を受け、2016年から千葉県で開催されてきた、児童虐待防止法PR活動です。

 震災復興ツーリングが縁となり、昨年から県が出発式を共催する形で開催されるようになり行政後援も前回からの仙台市に加え、石巻市・女川町・名取市からも新たにご後援いただけるようになるなど、オレンジバイカーズの啓発力は地域の行政からさらに期待されるようになりました。

 

出発セレモニーは宮城県庁舎前で


朝8時30分、宮城県庁舎前には各地から続々とバイクが集まりはじめ、最終的には50台のバイクが集結。


初参加のライダーも多く、昨年のRIDE189TOURING RALLY Orange bikers actionにて参加された方がに引き続き参加するリピーターの姿も多く見られました。受付を済ませたライダー達は「189・STOP CHILD ABUSE!(虐待をやめろ!)」と書かれたオレンジのビブスを身に着けて、開会セレモニーの開始を待ちます。

受付の最中、県庁前はにわかに、地面をたたきつけるような激しい雨に見舞われました。

しかし、これは清めの雨だったのか、出発式セレモニーまでにはピタリと止み、青葉の杜の上空には次第に青空が広がっていきました。


 セレモニーの冒頭はPeacemaker宮城支部長 鬼澤 脩平による開会宣言でスタート。ライダー達へ参加のお礼を述べた後、「市民の皆様に、児童虐待防止のオレンジリボン、そして189(イチハヤク)について啓発していきましょう!」と呼びかけました。



 続いて、宮城県の伊藤 哲也副知事が開会のご挨拶。

 「児童虐待が増加の一途を辿るなか、学校・児童施設・警察などの関係機関や行政との連携だけではなく、未然の防止・早期発見には、地域の皆様や児童虐待防止活動を支援する団体の皆様のご理解ご協力により、児童虐待を許さない社会を目指す機運を造成していく必要があります。」とし、「Peacemaker宮城オレンジバイカーズ活動が市民の皆様に児童虐待への関心と支援の在り方を考える機会となることを期待します!」と強い期待を述べられました。


また、ご来賓挨拶として宮城県議会議長 菊地 恵一氏からは、

 「昨年、法人の鬼澤支部長から県庁での出発式開催を打診された際、自分には庁舎使用に対する権限がないため、どうしたらよいのかと思案しました。そこで相談したのが今日この場に見えている保健福祉部子ども家庭支援課の課長さんで、この方がいなかったらこの場で行うことはまずできなかったと思います。皆さん大きな拍手をお願いします。(一同拍手) 

 また、先ほどご挨拶いただいた伊藤 哲也副知事は、この春新しく就任された副知事さんで、実はこの方も保健福祉部でお仕事をされていた方。この活動には強い期待を寄せていらして、自ら挨拶を買って出てくださいました。(一同拍手)

こうして819(バイク)の魅力と189(イチハヤク)の両方を、徒党を組むのではなく、整理整頓された走りで市民の皆様にアピールする。これは本当に素晴らしいことだと思います。

今日は一日安全な走行で、よろしくお願いいたします。」というお話をいただきました。


 滑らかな口調のご祝辞は、時より「ワッ!」と笑いが起きる場面もあるほど和やかなもので、その雰囲気は参加者一同に笑顔と連帯感を与えてくれました。


そして、続く主催者挨拶でPeacemaker代表理事 道家 尚巳は、

 「昨年始めた宮城でのオレンジバイカーズ活動。おかげ様で2回目を迎えることができました。この活動は継続することに意義があります。今後も宮城の活動は回を重ねていきたいと思いまのでよろしくお願いいたします。

 さて、皆様にはオレンジのビブスを着ていただいていますが、このオレンジ色を着ているとなぜか、集団で走っても周囲の人々から怖がられないようです。

ライダーなら誰でも一度は、バイクに乗っているだけで怖がられたという経験があると思います。バイクはそれだけ目立つ存在だというは間違いありません。しかし、私たちはこの「目立つ力」を社会のために活かすことにして、この活動を始めました。

 児童相談所が取り扱う児童虐待の件数は毎年増加の一途を辿っています。しかしこの増加は児童虐待緊急通報ダイヤル189が普及しているということでもあります。その傍ら、たくさんの問題も起きていますが、児童虐待の抑止や防止に繋がる活動として最も力のある手立ては、この189という番号をより多くの方々に知っていただくことのほかありません。皆さんには今日一日、「189,ご存知ですか?」と市民の皆さんに是非にこやかにアピールをしていただきますようお願いいたします。」

さらに今回は、千葉県児童福祉施設協議会 会長 本間 敏子(ほんま としこ)様からご祝辞を頂戴ました。

 「皆様方の姿を見て、県民の方々がオレンジリボンの意識をもっていただけるようになることを期待しています。今年もSTOP!CHILD ABUSEが広がることを祈り千葉県からエールを送ります。また11月5日には千葉で行われるオレンジバイカーズ活動でお会いしましょう。」

 本間会長は、千葉でオレンジライダーズを開催する初回の準備段階から私たちを支えてくださっている方。宮城での発展にもご期待をいただき、ありがたい限りです。


 安全上の諸注意を行った後は、恒例となっている「Run for Kids!」の3唱。


今回は、モデルでBDS「バイクセンサー」イメージガールの竹川由華さんの発声で行われ、空に拳を高く上げながら「子どもたちのために走る」と、心を1つに士気を高めました。


出発を待つオレンジバイカーズ。整列したその姿は壮観です。

そしていよいよ午前10:00。安全対策の為、横列3台ずつの発車。

オレンジバイカーズは最初の活動地、名取市のゆりあげ港朝市を目指して走り始めます。

今回、竹川由華さんが乗っているバイク「KTMのDUKE390」は、早坂サイクル商会様から無償レンタルにてご提供いただいたものです。早坂社長、今年もありがとうございました。 この他にもハーレーダビッドソン RH975ナイトスター なども試乗させて頂きました!いつも活動への多大なご理解とご協力をありがとうございます。


 

ゆりあげ港朝市での189啓発活動

 宮城県庁からはおよそ30分の道のり。

筆者もほかのスタッフ2人と一緒に走りましたが、法人代表の道家が言う通り、オレンジのビブスは目立ちます。


 町の人々からの視線をひしひしと感じながら到着したゆりあげ港朝市は、新鮮な地元の海産物を楽しめる観光スポット。

この日は日曜日で、観光バスの団体客や、ご家族連れなどが買い物や浜焼きBBQを楽しむ姿が見られ、大いに賑わっていました。


 現地でのポイントチェックを済ませた参加者たちは、厚生労働省発行のチラシなどが入った“児童虐待防止啓発リーフレットの束を受け取り、場内の市民の方々に声をかけながら配布していきました。 

昨年に引き続き、今回も宮城県各会場で公式キャラクターむすび丸が登場。

35度近い気温の中、記念撮影などに精を出し、啓発グッツを確実に手渡すチャンスを作ってくれていました。

また、県庁の出発宣言で、「Run for Kids!」3唱の発声をしてくれた竹川由香さんも、私たちと一緒に啓発活動に参加してくれて、得意のスマイルを活かしながら、実に積極的に市民の方々に声をかけ、数多くの人々に啓発グッツを手渡してくれました。


 手前みそながらスゴかったのは、鬼澤支部長。

 なんと、啓発リーフレットを箱ごと抱えて場内を廻り、数名の人にまとめて声をかけてはその場でお店を開く格好で、お店の前ではそのご主人やおかみさんとも目線を合わせながら…、

「189という番号で、虐待で困ってる子どもたちを助けられるんですよ、ご主人のご家族やお知り合い、それからお客さんにも“イチハヤク”を知ってもらいたいから、ぜひ広めてくださいねぇ」

と、熱心かつ人懐っこく周囲の人を引き付けていくのでした。


 その他のライダー達も、会場に散らばって、積極的に啓発活動を行っています。

市民の方々には声をかけると立ち止まってチラシをじっくりと眺めてくださる方も多く、これにはライダー達も助けられ、配布もスムースに進みました。

 啓発リーフレットを受け取ってくださった方の中には…、

「私、保育士なんです。私の園では我が子に手をあげてしまいそうだと悩んだお母さんが、自分で189に電話をかけて、家庭で育児支援を受けるきっかけになったケースがありました。これは本当に大事なことですから、ぜひこの活動を続けてください!」

と話してくださった方もおられ、家庭支援に189を活かせるということに気が付かされる場面もありました。


ライダー達はこちらでの活動を終え、ゆりあげ朝市の新鮮な海の幸などでお腹を満たした後、次の活動地、三井アウトレットパーク仙台港へと向かいます。


 

三井アウトレットパーク仙台港での活動

三井アウトレットパーク仙台港のこの日の推定来場者数は約10,000人。ライダー達は広い場内のあちこちに散り、市民の方々に声をかけていきました。

 たとえリーフレットの受け取りを拒否されても、「子どもたちを虐待から守る189を覚えてください」と一言言い添えればそれでよし。

『あのオレンジ色の人達は何だろう?』

と、おぼろげでもそう思っていただき、児童虐待防止について気に留めてもらうきっかけをつくるのが、この活動のミッション。

 お買い物の最中にも関わらず、足を止めてしっかりと読み込んでくださる方も多く、ミッションへの手ごたえが感じられました。

 

こうしてライダー達は約1時間の活動を終え、閉会式会場の南海部品仙台へ移動しました。

 

南海部品仙台店での閉会式

閉会式では、会場をご提供いただいている南海部品仙台店の小野 元樹(おの げんき)主任、そして法人代表理事の道家 尚巳、そして宮城支部長の鬼澤 脩平が、それぞれ閉会の挨拶を行いました。


南海部品仙台店 小野 元樹 主任

 「この活動が続くことによって、189という番号が多くの人に広まり、かけがえのない子どもたちの笑顔を救うことになると信じています。

 また、バイクには未だマイナスのイメージが付きまとっているのも事実ですが、こうした活動を通じ、バイクって楽しいものだな、乗ってみたいなという人が増えることを期待しています。

 私たちは、そしてこうした素晴らしい活動をされている皆さんの支えになれるよう、一層努力を続けてまいります。」


 南海部品仙台店は昨年に引き続きお店の前の駐車場を閉会式にご提供いただいたのみならず、私たちが7月に「サマーサンタ2023 in 気仙沼」を行った際には、子どもたちにプレゼントするお菓子を、店員の方が一つ一つ丁寧にパッキングしてくださり、その大きさに子どもたちが大喜びでした。

(有言実行の南海部品仙台店の皆様、いつもありがとうございます!)


法人代表理事 道家 尚巳

「宮城の気温とは思えないほど大変な暑さでしたが、皆さん本当にありがとうございました。開会式でもお伝えしたように、この活動は継続していくことに意義があります。また来年も開催しますので、是非ご参加ください。私たちは東北の方々とこれからも力を合わせ活動していきたいと考えています。11月には千葉の方でもオレンジバイカーズを開催しますので、そちらの方にも来てください。」



宮城支部長 鬼澤 脩平


「朝のスコールにはビビりましたが、皆さんの温かい心が空を晴らしてくれました。この空は皆さんの心掛けのおかげです。一般の人から、オートバイは悪い乗り物だ、という風に言われたくないですし、そう後ろ指をさされるようなライダーにはなりたくない。児童虐待防止というテーマを持って走ることで、バイクは決して悪い乗り物じゃない。こうした善行を行うことだってできる。なにより、バイクは楽しくて面白くて、みんなが笑顔になれる楽しい乗り物なんだよ、ということを知ってもらうためにも、この活動は継続していきますので、皆さん今後もお付き合いの程、よろしくお願いいたします。

 

 道家が挨拶でも話しているように、当日は東北の初秋とは思えないほど、本当に暑い日でした。それでも宮城の市民の皆様に支えられ、この日一日参加した50名のライダー達も、ひたすら真摯にミッションを果たし、約2,000部の啓発リーフレットを配布することができました。

※ちなみにこの横断幕は、NINKAI部品仙台店が作成してくださったものです。


 オレンジバイカーズの活動は、バイクの機動力やライダーミーティングの参集性を活かした社会貢献活動。1日の中で複数の場所でPR活動を行うことができるのと同時に、多数の参加ライダーが休憩などで地域の物産を購入するなど、地域振興にも貢献できるのが特長。

今回も、多くのライダーと共に「意味ある走り」を楽しむことができました。

 

 ”数にも表れない子どもたち”に向けて


 子ども家庭庁の速報によると、令和4年度の児童相談所における児童虐待相談対応件数は、過去最高を記録した昨年を約1万2千件上回る219,170 件。

 宮城県内だけを見ても1,764件、昨年比実に123.3%増のという驚異的な増加です。

これは開会式で道家が話したように、189の効果が表れでもあるのですが、近況として、警察経由での相談が多いのが特徴ということで、待ったなしの緊急性の高い虐待ケースが多くなってきていることが類推されます。

この数値が今すぐにでも下降に向かうことを祈るばかりですが、、万分の1でもそのきっかけを作りたい。

それが私たちの疾走る理由(わけ)です。


 ライダー達が活動を終えたこの日の夜、

仙台のランドマークである三井アウトレットパーク仙台港の大観覧車(左)と、仙台放送の電波塔「仙台スカイキャンドル」(右)が、オレンジ色にライトアップされました。

 これらのオレンジの灯火は、未だ統計の数にも上がることもなく、近親者の強権におびえる日々を送る子どもたちがいることを、一人でも多くの人々に気づいてもらえることを願って灯されたもの。

 私たちは今後も、そうした子どもたちに光をとどけ、未来に笑顔を輝かせるために、これからも走り続けます。

「Run for kids!」


一般社団法人 ピースメーカー  代表理事 道家 尚巳

宮城支部長 鬼澤 脩平


 

行政後援 : 宮城県 / 仙台市 / 石巻市 / 名取市 / 女川町

協力・協賛 : 三井アウトレットパーク仙台港

         / 株式会社仙台放送 / ゆりあげ港朝市協同組合

          /  南海部品仙台店 / 株式会社早坂サイクル商会

          / 株式会社モーターマガジン社

          / 一般社団法人日本ライダーズフォーラム

 
竹川由華さんを応援しよう!

オレンジバイカーズが開催される前日に仙台入りしたゆうかちゃん。昨年はRIDE189 TOURING RALLYにてRIDEガールとしてこの活動に参加してくれました。 「この活動で初めて児童虐待防止活動やダイアル189イチハヤクを知りました。とっても大切な活動だと思いました!」と言っていたゆうかちゃん。 今回はPeacemakerのゲスト&スタッフとして参加してくれました!宮城県へ向かう途中では福島県新地町の「復興フラッグ」に立ち寄りバイク乗りたちがチカラを合わせて守ってきた復興のシンボルは初めて訪れたと言っていました。 お昼ご飯は、亘理地区などの郷土料理「はらこめし」に舌鼓。本当のはらこめしの美味しさに感動したそうです!


オレンジバイカーズの一員として、とにかく一生懸命に活動してくれているモデルの竹川由華さん。可憐でひたむきな彼女の活躍を、是非応援してあげてください!

Instagram : (@cute.sis58)

X(旧Twitter)https://twitter.com/CuteSis58


ファンクラブ:らいど・おん・ゆうか


閲覧数:310回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page