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SUMMER SANTARIDERS 2023 in KESENNUMA

更新日:2023年8月12日




満を持して気仙沼

 昨年(2022年)から始まった気仙沼のサマーサンタライダース。

しかし、記念すべきその初回は、新型コロナ感染症のために予定していた児童養護施設への訪問が中止になり、施設の方から「子どもたちはとても楽しみにしていた」というお話を聞いていたのが心残りでした。

 それでも、町の人々に楽しんでもらおうと実施したパレードラン。

 素直に喜んでくださるの気仙沼の人々の姿が、サンタたちのまぶたの奥に焼き付いていていました。

 今年の開催が近づくにつれ、「あんな風にまた、町の人々に喜んでもらいたい」という想いは膨らみ、何より、気仙沼の施設の子どもたちにはじめて逢えるという期待感は大きくなるばかり。

 今年は長く世界を苦しめた疫病の猛威も沈まり、私たちを阻むものはありません。

児童養護施設に暮らす子どもたちのもとに、ふれあいの時間と笑顔をとどけ、町の人々に笑顔をとどけるサマーサンタライダースが満を持して気仙沼の町を走りだします。


 

心は子どもたちと共に

  待ちに待った2023年7月22日の朝8時30分、気仙沼のCafé RSTにサンタたちが集合。

今回は、子どもたちの生活環境を護る観点から一般参加者の公募を行わず、一般社団法人ピースメーカーの運営スタッフ約20名での活動です。

 事前にネットでも情報を共有してきたサンタたちですが、出発前にはさらに入念なブリーフィングを行いました。

 宮城支部の鬼澤 脩平 支部長はその中で、

 「昨年は残念ながら、コロナのために施設への訪問は叶いませんでしたが、パレードランで町の方々から本当に喜んでいただけました。

 バイクの力をこうした形で社会に役立てることができるのは素晴らしいことです。

今回も元気よく手を振って、真夏のサンタを楽しんでいただきましょう。

 そして今回、宮城では初めて、子どもたちが暮らす施設への訪問が叶います。

活動自体は2年目ですが、子どもたちとの関係はこれが最初の1歩。

ここから2年・3年と子どもたちの成長を見守れるよう、今回を素晴らしい訪問にしましょう!」 とあいさつ。

さらに、法人代表の道家尚巳は、

 「私が千葉でこの活動を始めたころは、バイク乗りと言えば暴走族との区別なく悪者にされ、まさに逆風の中で始まった活動でした。しかし15年の間に、この活動も段々と地域の人々にも受け入れられ、様々な方々のご協力のもと、こうして宮城の地に根を下ろそうとしていることは、とても感慨深いものがあります。

 私たちの活動の主な目的は児童虐待防止です。訪問させていただく施設には、心に傷を受けた子どもたちも多く暮らしていて、子どもたちはその傷故に、大人の心を探りながら、毎回全力でぶつかってきます。

なので、私たちサンタも本気でその心を受け止めてください。

 何より、この活動は『子どもたちに何がしてあげたい』という思いで行いつつも、結局いつも子どもたちから「大切な何か」をもらって帰ってくることになるんです。

だからこそ皆さん、子どもたちみんなに「ありがとう」と伝えましょう!」


と、サンタとして走る意味を改めて伝えながら、メンバー全員を激励しました。


これらの言葉を胸に刻み、出発前には、サンタたち全員で誓いのコール。

「RUN FOR KIDS!」

空にこぶしを突き上げて、気持ち一つに施設へと向かいます。


 

施設までの道程で

 施設は町の通りから軽自動車の車幅ほどの狭い小道に入り、その道を上がった丘の上にあります。

 この小道の沿道には家々が立ち並び、一時とはいえ、バイク集団の通行は気を遣うところ。

 ですが、このほかに施設までのルートはありません。

 そこで、法人(宮城支部)では、事前にこの沿道のお宅を一軒一軒訪問し、チラシの配布や声掛けを実施。


「子どもたちのためにサンタのバイクが通ります、賑やかにしてしまい恐縮ですがご協力を…」


と、住民の方にお知らせをして周ると、


「いえいえ、それならどうぞ賑やかにやってください」


と、にこやかにお答えくださったお宅もあって、事前の訪問は、おおむね肯定的な印象。

それでも騒音に気を付けて走るよう、メンバーにはブリーフィングで伝達されていました。


 そうして当日、実際にサンタたちがその市道を登り始めると…、

 なんと、沿道の家々から住民の方が軒先に出て、私たちに笑顔で手を振ってくださっているではありませんか。

 軒先から、2階の窓から何件ものお宅が。なんとも痛み入る歓迎ぶりです。

 胸に来る熱い思いをかみしめながら、子どもたちの待つ丘を目指します。


サンタが来た夏休み

 こうして僅かな移動の間にも、たくさんの笑顔をいただきながら施設に到着。

待ちに待ったサマーサンタの訪問です。

 園庭に入ると既に、お部屋のあちらこちらから、夏休みに入ったばかりの子どもたちの元気な声が聞こえています。


 バイクが整列を終えたのを確認すると、園長先生が子どもたちを園庭に招き寄せてくれました。


 興味津々、続々と園庭に歩み出る子どもたち。


 まずは園長先生に、サンタたちからの支援金を贈呈。こちらは施設の子どもたちの自立支援に役立てられます。

 

続いて、子どもたちの熱視線を浴びながら、みんなにご挨拶。


「こんにちわぁ!やっと逢えたねぇ、サンタクロースも去年からみんなと会えるのをずっと待っていたんだよぉー!」


これまでずっと心に溜めてきた思いを言葉にして、いよいよ、待ちに待った子どもたちとの交流が始まりました。


 早速スキンシップを求めてくる子どもたち。

「あ、このサンタさん本物だぁ、だってちゃんとお髭が生えてるもん」

何か宝物でも見つけた気持ちになったのか、

「ねぇねぇきてきてぇ~!」と、サンタの手をグイグイ引っ張って保育士さんの前に連れていくと、「すごいよぉ、ホントのサンタが来たよぉ!」と自慢げに胸を張る姿のなんともかわいらしいこと。

でも、その裏のさみしさも垣間見えた気がして、みんなのことが愛おしくなります。


 お待ちかねのプレゼントタイムでは、サンタたちから、人数分のお菓子をプレゼント。

 お菓子袋の大きさは子どもたちにとって意外な程だったようで、みんなちょっとびっくり。

「すごい!」「嬉しい!」「ありがとう!」と、嬉しそうな笑顔の”お返し”をいただいて、サンタたちも嬉しくなりました。


 このあとはバイクに跨る「バイク体験」へ。

 危険防止のために各車両のオーナーがバイクに付いて、子どもたちを抱っこしてシートの上にご案内するわけですが、この時のバイクは子どもたちとのコミュニケーションツール。

 実は、小さい子たちはバイクに跨る一瞬の抱っこがお目当て、大きい子なら、保育士さんや指導員さんに写真を撮ってもらうのが嬉しいんです。

 そんな風に子どもたちは、かっこいいバイクよりも、むしろ優しそうなサンタを“物色“しながら、とっかえひっかえ、いろいろなバイクに跨っていくのでした。

 

そんな楽しい訪問も、そろそろお開きというころ、子どもたちの方から……


「ねぇ、来年もまた来てくれるんでしょう?」の声。


「あぁ、もちろん!」


 子どもたちにそう約束すると、サンタたちも思わずニンマリ。


 東北の短い夏休み。

その始まりに訪れたサンタとのひと時は、「うれしい事件」の記憶として、子どもたちの心に残ったようです。


「またくるからなぁ~!」


「元気でいろよぉ~!」


 そう言って子どもたちに手を振りつつ、たくさんの笑顔に見送られながら施設を後にしました。


 施設から丘を下っていくと、そこにはまた、来た時と同じように沿道の家々の人々が、軒先で手を振って見送ってくれています。


『また来ます、ありがとうございました!』


ヘルメットの中でとめどなく湧き出す感謝の言葉。


「大切な何か」をたくさん頂戴して、季節外れのサンタたちは、気仙沼の町へパレードランに繰り出していきました。

 

沿道の笑顔に涼風を感じて

 太陽が照り付ける気仙沼市内、冬に着ているサンタ服をそのまま来ているわけですから、信号待ちでは、汗がしたたののも必然。

 走り出せば、季節外れのサンタ集団には、矢のように無数の視線が注がれます。

それは決して嫌悪の目ではなく、人の心がほぐれていくような、優しい微笑みの視線。


 作業中に手を止めて、微笑みながら手を振り返してくれるおじさん・おばさん。

 対向車の後席で手を振りながらはしゃぐ子どもたちと、そのご家族

 スマホを向けてニッコリと手を振る歩道の人々…etc。

 

気仙沼の海風も、私たちの味方になってくれましたが、注がれた町の笑顔の数々には、それ以上の涼風が感じられました。


 こうして2023年のサマーサンタライダースは、気仙沼の子どもたちと町の人々に、幸せをとどけることができました。


気仙沼の皆様、ありがとうございました。

 

私たちがバイクでサンタを続ける理由(わけ)


 私たち一般社団法人ピースメーカーが、サンタクロースとして毎年欠かさず訪問しているのは、児童養護施設や乳児院です。

 そこには、親の病気や離婚、そして虐待等様々な理由によって、家庭で暮らすことができなくなってしまった2歳から18歳の子どもたちが暮らしています。

 サンタライダーが千葉で初めて施設を訪問した時、幼児さんたちに「今一番欲しいものは何?」と聞いて返ってきた答えが…、

「だっこ!」でした。

 この言葉自体も衝撃だったわけですが、その訪問を終える別れ際、中学生くらいの子が、

「どうせおまえら今年限りで来年来ないんだろ?二度と来るなよ!」

と言い放ったのです。

 ただ、それは真反対のご挨拶。

 翌年、私たちがサンタとして同じ施設を訪問すると、「二度と来るなよ!」と言った子が真っ先に駆け寄ってきて、

「本当に来てくれたんだ、ありがとう!」

そう言って、とびきりの笑顔を見せてくれたのでした。

 実の親に見放されたり、虐待などの影響で、自尊心を持つことができなくなってしまった子どもたちの多くは、やがて大人を試すようになるものです。

それは本気で付き合ってくれる大人を見つけるための「探査行動」。

 きっと、あの2度目の訪問がなかなかったならば、『大人はどうせ信用できないものだ』と、彼らに不信感を植え付けることになっていたでしょう。


 ですので、私たちは今後もこの活動を絶やすことなく続け、子どもたちの成長を見守ることを大切に考えて続けていきます。

 

 子どもたちが自尊心を持てる未来のために

 こうして、2年目を迎えたサマーサンタライダースは、新型コロナウィルス感染症関連の影響を受けることなく、地元の皆様のご協力の下、子どもたちと町の人々に、たくさんの笑顔をとどけることができました。

 同時に、子どもたちからも町の人々からも「大切な何か」をたくさん頂戴しました。

 悲しいかな、現代において誰かのささやかな善意は、SNSの有象無象に叩かれがちです。そんな中で出会った、「人を肯定する無垢な笑顔」は、人の心にどれほど弾みをつけるものなのか。恐らくこれがその「何か」なのかもしれません。


 子どもたちとの約束を守るため、来年もまた、サンタは気仙沼を走ります。

大切な子どもたちの自尊心が、脅かされることのない未来を願って。  RUN FOR KIDS!


 

 ご協力御礼

今回の活動に際し、地元の団体、行政、様から多大なサポートをいただきましたので、ご紹介をさせていただきます。

 

café RST 様

昨年に引き続き、今回も気仙沼にあるCafé RST様にご協力をいただき、お店を貸し切りにして活動の拠点をご提供いただいたほか、地域住民の方々への広報などでもご協力いただきました。

活動に多大なサポートをいただき、ありがとうございました。


気仙沼市保健福祉部子ども家庭課様

行政からは、気仙沼市保健福祉部子ども家庭課様にも、広報のご協力をいただき、LINEを通じて市民の皆様へ、サンタ来訪のお知らせとご協力のお願いをしてくださいました。

本文のとおり、広報の効果は十分でした。ありがとうございます。


南海部品仙台店 様

またバイク業界からも、南海部品仙台店にお菓子の原価提供のほか、袋詰めまで実施いただき、包装に使用した袋やリボンもご協賛いただきました。

袋のボリュームに、子どもたちは大喜びでした。

繁忙期のお忙しい中、ご協力ありがとうございました。


三陸新報 様

さらに今回の活動は、三陸沿岸地域の新聞社「三陸新報」様によって開催後に紙面で報道され、気仙沼市民へ更なる周知を生むことが出来ました。 http://sanrikushimpo.co.jp/2023/07/25/10833/


素敵な紙面にまとめいただき、ありがとうございました。


文:一般社団法人Peacemaker 広報部 山本昌彦








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