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RIDE189オレンジバイカーズアクション宮城2022を開催

更新日:2023年8月12日



宮城で初の「オレンジバイカーズアクション」

 2022年9月4日、日曜日の朝の宮城県庁の本庁舎前に、ライダー達が次々と集まってきました。


 バイクのナンバーを見ると、地元近県のナンバーもあれば、関東圏のナンバーも多数見受けられます。

 その数総勢70名。

「RIDE189 TOURING RALLY オレンジバイカーズアクション宮城」に参加するライダーたち。


 この日、オレンジバイカーたちは宮城県庁をスタートし、「ゆりあげ港朝市」、「三井アウトレットパーク仙台港」といった県内有数の商業スポットを巡りながら、各地で児童虐待緊急通報ダイアル189の啓蒙活動を行いました。


セレモニーには、宮城県副知事もご臨席

 前日から降り続いた雨も上がり、次第に明るくなっていく空。

参加者たちの表情も晴れ晴れとしていく中、県庁本庁舎エントランス前では出発式が行われ、ピースメーカー宮城支部の鬼澤脩平支部長が開会を宣言しました。

その表情には、およそ1年間に渡る準備がいよいよ実りを迎える歓びと、閉会までの責任感が漲ります。


これに続くご来賓の方々のご挨拶には、ご協力ご共催いただいている宮城県の池田敬之副知事が登壇され、ライダー達を歓迎しながら、次のように述べられました。


 「この活動を児童虐待防止の気運向上につなげ、宮城の食や景観を楽しみながら復興を感じていただきたい。」

 これまで復興支援ツーリングを行いながら、街の復興ぶりを毎年実感してきた私たち。

 「復興」の2文字に託された、重厚な意味を感じながら、池田副知事のお言葉を拝聴しました。


続いて、宮城県議会議長の菊地恵一様からも開催に際してのご祝辞をいただき、

「みなさん!ちょっと後ろを振り返ってみてください。  宮城は今年県ができて150年目を迎えます。 その歴史が育んだ杜の都仙台の緑をバックに、このようにたくさんのバイクが集まってくださったこの光景、本当に喜ばしく思います。

 バイクの持つアピール力で、多くの市民の方々に児童虐待防止を啓発していただきたいと思います」。

と、さわやかな笑顔でオレンジバイカーズたちに期待するお気持ちを述べられました。

「バイクが児童虐待を訴えて走る」という画期的なソーシャルアクション。

その意義をしっかりと捉えてお話くださったことに、私たちからも感謝を申し上げたいと思います。


 続く主催者あいさつ。

 直前まで降り続いた雨に、参加者の安全を心配したピースメーカー代表の道家尚巳でしたが、開会式では雨雲も遠のくに至り、宮城初のオレンジバイカーズアクションを晴れやかな気持ちで開催できることを参加者とともに喜びました。


 自身も過去に単身赴任で宮城に住んでいたこともあるという道家代表。

 自らが提唱し、多くの仲間たちと育んできたオレンジバイカーズが、多方面の方々の様々なご縁をいただき、愛する宮城の地での開催される歓びは一際であったと言います。


 そして今回は、これまで私たちと共に14年間、千葉県で「ピースメーカー」を育ててきてくださった千葉県児童福祉施設協議会理事の森田雄司さんも、はるばる千葉から宮城に駆けつけてくださり、私たちの活動にいつもご協力いただいている同協議会の本間敏子会長から託されたご祝辞をご代読されました。

 お手紙は、千葉で14年間続く私たちピースメーカーと児童福祉施設との交流を振り返るとともに、千葉から生まれた活動が他県に広がったことをお慶びになりながら、児童虐待根絶への願いが込められた内容。


 宮城での開催に至る経緯やその意義がまとめられたお手紙のご代読を拝聴し、参加者たち各々の気持ちが一様に引き締まります。


 スタート前は、「RUN FOR KIDS!」の勝どきで、気持ちを一つに。

 千葉では恒例ですが、この掛け声が初めて、杜の都に響き渡たりました。


 いよいよ、オレンジバイカーズが、宮城県庁をスタート。

 児童虐待に苦しむ子どもたちのために走しりはじめます。


ゆりあげ港朝市に189を届ける

 仙台は、道幅も広く走りやすく、緑との調和のとれた景観が楽しめる街です。

 海岸方面にハンドルを向けてしばらく走ればだんだんと、空が開けていくのがわかりました。

 そんな風景の流れを楽しみながら一行は、県庁から30分ほど南に走ったところにある「ゆりあげ港朝市」に到着。

 日曜日のお昼前、店先には新鮮な海産物などがおいしそうに並べられ、浜焼きなどでこれを楽しむご家族連れなどでにぎわっています。


 ゆりあげ港朝市は、海に面したの港の市場。

 この活気を目にして思い出されたのが、「宮城の復興した姿をぜひ見てほしい」という池田副知事のお話。


 賑わう風景から、復興にご尽力された街の人々の力を感じ、「がんばれよ」と背中を押される気持ちになりました。


 ゆりあげ港市場にに参加者たちは順次各々に受付を済ませ、朝市のお買い物を楽しんでおられる市民の皆様に声をかけ始めます。


※こちらの受付でも参加者の手指消毒を必須とし、パンフレット配布の際は手袋の着用を義務付けました。


 活動を始めてみて驚いたのは、私たちの声掛けに対し、しっかりと耳を傾けながら189の啓もうパンフレットを受け取ってくださる市民の方が多かったこと。

 中にはオレンジビブスを着ている私たちに歩み寄り、

「あなたたち、とっても良いことしているわねぇ、来年も来るの? なら、市場はもっと早い方が賑わっているから、次は早く来た方がいいわ。 もっとたくさんの人にこの番号(189)のお知らせができるわよ!」

と、私たちの活動に非常に感心しながらお声掛けくださった年配の女性の方もいらっしゃいました。


 また、立ち並ぶお店の店先を歩くと、

 「あのオレンジのバイクの人たちは何しにきたのかね?」

と、お客様とお店の方が噂をしておられるのが2・3耳に入ってきます。

 そこで、パンフレットをもってお店を周りながら、



 「児童虐待防止について興味を持っていただく活動をしていますので、よろしくお願いいたします!」

などと、ご挨拶をしながらまわってみると、お忙しい中にも拘わらず、大抵のお店のご主人やおかみさんが手を止めて、関心をもって聞き入れてくださいました。

 宮城では初回となるオレンジバイカーズ活動。

 はじめの一歩となったゆりあげ港朝市では、こうして市民の方々の暖かさに支えられ、一方通行な告知ではない手ごたえを感じることができたのでした。


ゆりあげ港朝市名物「はらこ飯」

 こちらでの配布予定枚数の啓蒙パンフレットを配布し終えた参加者たちは、ゆりあげ港朝市の美味しさで満腹に。


ここでの活動を終え、次なる活動場所、仙台有数の規模を誇る商業施設、「三井アウトレットパーク仙台港」に向かいます。





三井アウトレットパーク仙台港での活動

 ゆりあげ港朝市から現地までは沿岸にかさ上げされた復興道路をひた走るのですが、その復興道路の左下には、かさ上げ前の旧道があり、暫くこれと並走することになります。


 左側に見える旧道と復興道路とは高さの違いが相当にあるのですが、これは、いざというというときのためにこの復興道路に持たされている防波堤の役目。

 この高低差はこの風景に至る街の記憶と、復興の力を想像させてくれるものです。


 こうして走ること約20分、三井アウトレットパーク仙台港では、ゆりあげから既に先行して移動したスタッフたちがゲートや受付テントの設営を手際よく終えていて、配置に着いたスタッフの誘導に従って、参加者たちが順序良く入場することができました。


 いよいよ本日2ラウンド目のオレンジ活動の開始です。

 ゆったりとした港の風がそよぐ中、中高年の方々が多かったゆりあげ港朝市とは違い、こちらははるかに規模の大きい商業施設。

 ファミリー客だけでなく、カップルや若い女性各の姿が多く見受けられ、客層の幅広さが感じられます。

 そのせいもあってか、我々の声掛けを避けるように、パンフレットを受け取ることなく足早に立ち去る方も少なからず。

 そんな時は、宮城県のイメージキャラクターである「むすび丸」が文字通りの助太刀をしてくれます。


 愛らしくも凛々しいフォルムがファミリーや女性客を集め、写真撮影などをきっかけに、若い方でも189の啓もうに耳を傾けてくれるのです。

 既に広大な敷地に拡散している参加者たちも、PRをするのに効率の良い場所や声掛けの方法についてお互いに相談し合いながら工夫を重ね、お買い物中の市民に声をかけ続けました。


 こうして根気よく声をかけていくと、「最近、児童虐待のニュースが気になっていた」という方や、「189があることを今回初めて知った」とおっしゃる方に出会うことも少なくありません。

 そんな市民のみなさまのご理解ご協力のおかげで、用意した2,000組の啓もうグッズも、およそ1時間のうちに全数を配布し終えることができました。

 

 ここでの活動の中では、パンフレットを受け取らないことが、必ずしも児童虐待に対して関心が薄いということではなく、お買い物をするにあたって余計な荷物を増やしたくないという反応であることもあり、配布対象の状態から配布のタイミングを見計らうこと等、今後の活動に当たっての課題もいくつか見えてきました。

 こうした改善点を見据えながら来年、再来年と、この活動を継続していく必要性を実感できたことは、私たちにとっての収穫なのだと思います。



「バイクはこの世のためになる!」閉会式でライダーの誇り新たに

 こうして無事に県内2か所における児童虐待防止啓もう活動を終えた私たちは、閉会式の行われる南海部品仙台店に向かいました。

 南海部品は今回のRIDE189の協賛企業様で、店内にポスターを貼り、横断幕をご用意してくださるなど、地元ライダー達に189のPRを行ってくださっています。


 閉会式ではご多忙中にも関わらず、南海部品仙台港店の小野主任が、参加者をねぎらい、活動への応援の気持ちを表してくださいました。


 「児童虐待を防止のためのソーシャル・ツーリング・アクション」

この趣旨に強く賛同したライダー達が、まだ明けやらぬ早朝から雨もいとわず、遠路はるばるバイクを走らせて宮城県庁に集まり、全工程およそ9時間強に及ぶボランティア活動を無事に全うしてくれた今回のオレンジバイカーズアクション宮城。


 ライダーの中には、私たち運営陣が用意したオレンジビブスの着用にとどまらず、

 自主的に製作した腕章などで、「189子どもたちを護れ!」と、児童虐待を許さない気持ちを明示しながら走ってくれたライダー達もいらっしゃいました。


 熱く優しい気持ちを持ちよって、複数の会場で多くの市民の方々に児童虐待防止に関心を持っていただけるよう直接声をかけ続けてくれたライダー達。

 手渡した市民の方がパンフレットに関心をもってくださったときの歓びは、一入だったに違いありません。


 今回の「オレンジバイカーズアクション宮城」を企画・実行してきたピースメーカー宮城支部の鬼澤脩平は、閉会に当たり、次のように参加者たちの偉業を称えました。


「児童虐待が全国で増え続けるなか、宮城でもその増加が止まりません。

 これ以上の増加を防ぐには、多くの市民が児童虐待の防止に関心を持っていただくことが重要です。

 機動性に富んだバイクのアピール力は、これに大きく貢献することができます。

 宮城県政150年を迎えた今年、バイクが児童虐待を無くすために走りはじめたということは、歴史的にも意義深いことなんです。

 私たちは今日、みんなで歴史に新たなページを書き記しました。

「バイクは人のためになる!」

「バイクに乗っていてよかった!」

 今日、みんなで感じたこの実感を、いつまでも大切にしていきましょう!


鬼澤支部長の言葉に、多くの参加者たちから拍手が沸きます。



この後、代表の道家が皆さんにお礼を述べながら、

「この気持ちを次の千葉に繋げましょう!」

と、11月のオレンジバイカーズアクション千葉への参加を呼び掛け、宮城でのオレンジバイカーズの活動を締めくくりました。


参加者に感謝の意を表す代表の道家


 長丁場のミッションを終えたライダー達は、RIDE189スタンプラリーカードに、参加者の「称号」ともいえるスペシャルステージスタンプをもらい、この日の記憶と共に各々の家路に向かいました。

 


 来年もまた、虐待に傷む小さな心たちのために、仲間と共に声を上げて走ります。

RUN FOR KIDS!(子どもたちのために走るんだ!)と。



 この夜、私たちが活動した三井アウトレットパークの観覧車は、見事なオレンジ色にライトアップされました。

未だ発見に及ばない被虐待児たちへの光を届けるために。

 

拡がれ189イチハヤク!

 今回の活動は、河北新報社様の紙面にも大きく取り上げていただいた他、東日本放送様からも報道取材を受けました。


 バイクで走ることが、児童虐待防止につながる。

この理解が各方面に広がって、多くの市民に189(イチハヤク)が周知されることを願っています。

また、RIDE189を共催してくださっているモーターマガジン社様のオートバイ誌編集部より、編集長の松下尚司さんと、同誌の出演中の竹川由華さんも、今回の活動に加わってくださいました。

この様子は今後のオートバイ誌内「RIDE」に掲載される予定です。


 


私たちが走る理由(わけ)


 「バイクで児童虐待防止」

 この一足飛びには理解されにくい私たちの活動にご理解をいただき、ご協力・ご協賛いただいた行政・企業の皆様に、御礼申し上げます。


 オレンジバイカーズ活動は、2009年に千葉県四街道市にあったライダーの憩いの場「Café Club Bigone」(現在は千葉県大多喜町に所在)に集まるライダー達が、クリスマスに児童養護施設の子どもたちのために行った「サンタライダーズ」に端を発するもので、この活動の中では、単にプレゼント訪問のみならず、施設退所を控えた高校生入所児を対象に、自立支援活動なども積極的に行っており、私たち一般社団法人ピースメーカーは、点ではない面としての児童福祉支援活動を継続している団体です。

 この活動から派生したオレンジバイカーズは、回を重ねるごとに参加者の数が増大し、単日のマスツーリング(集団走行)という形態が、操列の安全上限界を迎えたため、2019年からは、参加者が参加日を自由に選んで参加できるツーリングラリー形式を採用し、房総半島全域を対象とし、開催期間も単日から1か月間へと規模を拡大させ、より広範なPRイベントとして、児童虐待防止の啓もう力を増強させてきました。

 さらに、2021年には、かねてから行ってきた東北復興ツーリングなどで絆を深めてきた宮城県のライダー達が「ピースメーカー宮城支部」を設立し、新型コロナ感染症対策による行動制限が無くなった今年は、月刊オートバイ誌を発行するモーターマガジン社と共催で、3月11日より、約半年間にわたる「RIDE189 TOURING RALLY」を千葉・宮城において同時開催するに至りました。

 加えて、ピースメーカー宮城支部では、今年8月に「サマーサンタin気仙沼」を行い、児童養護施設にプレゼントを届けるなど、宮城における児童福祉支援活動を本格化させたところです。

 相変わらず混沌とした世界の中にあって、我が国では児童虐待がその発生件数の記録を毎年更新させている現状があります。その中では小さな心が人知れず、近親者から昼夜を問わない攻撃にさらされており、 児童虐待は待ったなしの社会問題です。

 ことさら宮城県内においては、震災に端を発する児童虐待もあり、コロナ禍が問題を一層深刻にしている現状があります。


出展元;宮城県「令和2年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数について(速報値)」https://www.pref.miyagi.jp/documents/15102/868361.pdf

 『バイク乗りとして、そのためにできることがあるなら、力になりたい』

オレンジバイカーズアクションは、ライダー達がその想いを形にして、児童虐待防止への関心を市民に促していくソーシャル・ツーリング・アクション。

 今回のオレンジバイカーズアクション宮城では、千葉同様に児童福祉行政との共催事業となり、その公益性をさらに強化するべく、活動の継続についてご期待いただけるよう、総力をあげて取り組みました。


 今後も児童虐待根絶のため、 私たちは、気持ちをひとつにして、走り続けます。


                    RUN FOR KIDS! 子どもたちに笑顔を灯そう!

一般社団法人 ピースメーカー 代 表 道家 尚巳 宮城支部長 鬼澤 脩平

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