top of page

第10回オレンジバイカーズ千葉2025     これまでの10年、これからの10年

更新日:11月11日

千葉県庁本庁舎前にて
千葉県庁本庁舎前にて

開 催 日:2025年11月3日(文化の日)

参加台数:50台 天 候:快晴 主 催 者:千葉県児童社会福祉施設協議会・一般社団法人Peacemaker 

千葉県庁 出発式(8:30〜9:00)


朝の冷たい空気の中、千葉県庁前には志を持ったライダーたちが各地から続々と集結。

関東圏のみならず遠くは宮城からも仲間が駆けつけ、50台のバイクが10年目の節目を迎える「オレンジバイカーズ千葉2025」に臨みました。

千葉県庁本庁舎前に続々と集まるライダーたち
千葉県庁本庁舎前に続々と集まるライダーたち


開会式の司会はPeacemakerの指宿克己氏。


開会の挨拶に立ったPeacemaker宮城支部長の鬼澤脩平氏は、9月に行われた宮城での活動を報告し、 「今日も“189(いちはやく)”を知ってもらい、協力の輪を広げたい」 と力強く呼びかけました。


行政が語る児童虐待の今と活動への期待


ree

続いて、千葉県健康福祉部こども家庭対策監の石黒 真平氏が登壇。

平成30年度、児童家庭課長として野田市の児童虐待死事件に対応された当時を振り返り、「児童相談所への理解は進んだものの、報道が減り関心が薄れつつある」と現状を憂いながらも、「行政だけでは届かない部分を補う民間の力は大きい。千葉から宮城へと広がったオレンジバイカーズの輪が、さらに全国に広がることを願っています。」

と、ライダーたちに温かいエールを送りました。




児童福祉施設長が語る虐待の現状


ree

続いて登壇したのは、千葉県児童養護施設協議会 事務局長であり、千葉市花見川区の児童養護施設長を務められている馬場 敏氏。

「施設で暮らす子どもは全国で約4万2千人。千葉県内でも1,070人の子どもたちが施設で生活しています。この数は15年間ほとんど減っていません。」

と現状を伝え、「だからこそ、市民レベルの活動が子どもを支える力になる。」

として、ライダーたちへ「どうぞ安全運転で、良い一日を」と優しく呼びかけました。

真剣に聞き入るライダーたち
真剣に聞き入るライダーたち

10年の歩み、そして森田さんとの約束


主催者を代表して、一般社団法人Peacemaker代表理事 道家尚巳が登壇。

活動の原点である「サンタライダー」や、千葉県児童養護施設協議会・森田雄司会長(現・顧問)との出会いに触れました。

「この活動は、森田さんがサンタライダーズで施設訪問する私たちを受け入れてくださり、行政に紹介していただいたことで行政から正式にオファーをいただき、今日の“オレンジバイカーズ”へと発展したのです。」

森田先生の功績をたたえる道家代表
森田先生の功績をたたえる道家代表

と、10年の歩みを支えた経緯を丁寧に語ったのに続けて、

「森田先生とは“10年”の約束で歩んできました。今年はその節目の10年。森田先生はこの活動から一歩離れられますが、これからも見守ってくださるそうです。これまで本当にありがとうございました。」

と森田先生への感謝が語られると、会場は温かな拍手に包まれました。

さらに道家は、こう続けます。

「このオレンジのビブスを着て走ること自体が啓発です。

ree

見た人が“あの人たちは子どもを守る活動をしている”と感じてくれる。それが抑止力になる。あなたの走りが誰かの力になる。」

ree

ライダーたちはその言葉を真剣なまなざしで聞き入りました。

ree

また、道家は、私たちが行うサンタライダー活動を、昨年末に取材・放映してくださったNHK千葉放送局の田村アナウンサーが応援に駆けつけてくださったことを紹介。この番組を見たライダーたちも多く、私たちの思いをしっかりと受け止めた田村さんの真摯な取材姿勢と子供たちを思う気持ちに会場から温かな拍手が起こりました。


そうして、ひとつになった会場の空気に、恒例の掛け声で熱を入れていきます。

ree

今回「RUN FOR KIDS!」の発声はモデルのバイク誌各誌で大活躍中の竹川由華さんが担当

自身4年目となる参加をよろこびながら、明るい声で発声しました。

RUN FOR KIDS!!!
ree

子どもたちに届けと、重なりあったライダーたちの声。

こうして50台のバイクがゆっくりと県庁を後にしました。


第1目的地のいすみ市ふるさと祭り会場へ(10:50頃)


県庁を出た隊列は、秋晴れの房総路を走り抜け、最初の目的地、いすみ市ふるさと祭り会場へ。

この区間は海沿いの青がライダーたちの目にまぶしく、ツーリングの喜びが感じられる道のりでした。

左手には、九十九里のきらめく海の青が、空の青へつながっています。
左手には、九十九里のきらめく海の青が、空の青へつながっています。

「いすみ市ふるさと祭り」はいすみ市岬ふれあい会館・文化センターで開かれる地域の祭りで、現地は海産物や特産品、ステージショーでにぎわう活気ある会場です。

ree

この日は児童虐待防止強化月間に合わせたオレンジリボンキャンペーンセレモニーも開催され、太田ひろし市長より私たちオレンジライダーズの活動が紹介されました。


市長からのありがとう

セレモニーの中で太田ひろし市長は、

ree

増え続ける児童虐待に対し、行政も絶え間なく頑張っているところですが、児童虐待をなくしていくには、市民一人ひとりの関心が欠かせません。そうした中で多くの市民に189を知ってもらう活動を行っているPeacemakerの活動が今年10年目を迎えるということは大変有意義なことです。」

と述べ、児童虐待防止への熱意と、オレンジバイカーズの意義を市民に語りました。


“防止”から“抑止”への意欲

これに応え、道家は10年にわたり支えてきた関係者や参加者に感謝を伝えたうえで、

ree

「私たちはこのオレンジ色のユニフォームを着て走ることで、児童虐待を“防ぐ”だけでなく、“抑止”につなげたいと考えています。

虐待をしてしまっている方が“これはまずい”と気づいたり、しつけのつもりで行っている行為を“これは虐待かもしれない”と振り返る—— そんな気づきを生み出す活動でありたい」と強調。

さらに、「ひとりひとりの走りが誰かの役に立つ」と信じて10年間走り続けてきた」とを振り返り、「次の10年に向けて、これからも全力で頑張っていきたい」と力強く語ると、太田市長が道家に駆け寄り、市民の前に称えるように道家の手を高く掲げ、感謝の気持ちを表してくださいました。

ree

さらにセレモニーでは市内の中学生による標語表彰も行われ、市長から表彰される子どもたちに温かな拍手が送られました。

※本写真の掲載については、保護者の方々にご承諾をいただいております。
※本写真の掲載については、保護者の方々にご承諾をいただいております。
最優秀作品賞:「見逃さず、助ける勇気 求める勇気」                    ― 岬中学校 高橋 碧桜さん 優秀作品:「気づいてる?あの子のサインに189(いちはやく)」                   ― 国吉中学校 松本桜奈さん 優秀作品:「誰かじゃない 気づいたあなたが 未来を変える」                   ― 大原中学校 鈴木玄太さん

今回はいすみ市より、3人の標語が入った市オリジナルの啓もう品を頂き、こちらを配布させていただきました。


市民とのふれあい

式典後、ライダーたちは市民へ声をかけながら啓発活動を開始。

「児童虐待防止活動をしています。“189(いちはやく)”という番号をぜひ覚えてください。」

そういいながら会場を歩き、人々にパンフレットを手渡すと、「毎年ありがとう」と笑顔で応えてくれる方もいて、温かい交流の輪が広がりました。


活動を終えたライダーたちは、お祭りの雰囲気を楽しみながら「たこ飯」などの地元の味を堪能。

「社会貢献とツーリング」—その両立こそ、オレンジバイカーズの魅力です。

太田市長、いすみ市の皆さん、ありがとうございました。
太田市長、いすみ市の皆さん、ありがとうございました。

第2目的地:山の駅 喜楽里(大多喜町)

いすみでの活動を終え、自由走行で向かったのは第2目的地「山の駅 喜楽里」。

ree

山道を抜けた先では、平林 昇町長が直々に、しかもオレンジのベスト姿で出迎えてくれました。

ree

「大多喜町もおかげさまで、今では多くのライダーが訪れる町になりました。暴走行為もなく、皆さんのように紳士的な方々ばかりです。どうかこれからも社会貢献の輪を広げてください。」

そんな風に、ライダーたちへの感謝とエールを述べられました。

町長のおっしゃる通り、町ぐるみでライダーを歓迎している町。

ree

渓谷の景観を楽しみながら、地元の味を楽しめる「山の駅」として、幅広い層の観光客にも人気のスポットで、ライダーたちにも人気のスポットで、これからがシーズン本番。早い秋を見つけにきた観光客でにぎわっていました。


ここでは、「オレンジの人たちのこれは何の活動?」と休憩中のライダーたちに訪ねられ、興味を持って頂きながら、穏やかな会話が広がりました。


平林昇町長、そして大多喜町の皆さん、ありがとうございました!
平林昇町長、そして大多喜町の皆さん、ありがとうございました!

喜楽里での活動を終えたライダーたちは、最終目的地、千葉ポートタワーへと向かいます。

最終目的地、千葉ポートタワーへ(16:00)


ree

秋風の冷たさを感じながら到着したポートタワーは、残念ながら強風の影響で臨時休館。

普段は家族連れやカップルで賑わうポートタワーも人影は少なかのですが、それでも出会うことのできた市民へ丁寧に声をかけ、最後まで啓発活動を続けました。


閉会式 ― 児童虐待防止は草の根から

啓発活動を終え、今年のオレンジバイカーズもいよいよフィナーレ。


ree

夕暮れの中行われた閉会式では、初めに千葉市こども家庭支援課 宇野 貴浩課長があいさつに立ち、

「皆さんの活動が、多くの市民に児童虐待防止への関心を届けてくださいました。件数は依然として高止まりしていますが、こうした地道な活動こそが社会を変える力になると信じています。」

と力強いエールが送られました。


続いて、千葉県児童福祉施設協議会 副会長の吉田 正浩氏から、


ree

「私は児童養護施設『小山ホーム』の園長をしております。これまで当施設には『サンタバイク』の皆さんが17年間にわたり訪れてくださり、その中から10年前に“オレンジバイカーズ”という形で児童虐待防止の取り組みが始まりました。」

と語り、活動の歩みを振り返り、

「当時、朝皆さんとお目にかかった森田副会長が中心となり、千葉県の子どもたちのためにオレンジのライダーが走る姿を見てきました。

十年ひと昔とも言われますが、皆さんの継続的な活動には本当に頭が下がります。」

と述べられ、その言葉には、長年現場で子どもたちと向き合ってきた人だからこその深い敬意と感謝が込められていました。続けて吉田氏は、

「先ほど宇野様からもお話がありましたように、こうした草の根の運動こそが、確実に社会を動かしていく力になるのだと思います。今後とも、どうか健康に留意されて、1年でも長く、この活動を続けていただければと思います。」

その言葉にライダーたちは静かにうなづき、会場には温かな一体感が広がりました。


主催者挨拶 社会にどんな足跡を残せるのか

最後に道家代表が登壇。10年間を振り返りながら、静かに語りかけました。

ree

かつては「リーフレットを一枚配って意味があるのか」と感じたこともあったといいます。しかし、宮城での活動の際に県職員からリーフレットを受け取る方の真剣なまなざしを見て、「これが間違いなく一番実効性のある活動です」との言葉をもらい、その意義を改めて実感したと振り返りました。

「この活動の本質は“配ること”ではなく、リーフレットを手渡すときに相手と向き合い、『189(いちはやく)ってご存じですか?』『知らない、何ですか?』『児童虐待を見つけたときに通報できる番号なんですよ』——そうした“会話”が生まれることにあります。」

さらに道家代表は、現代社会における人と人とのつながりについても言及しました。

「今の時代、近所付き合いや地域のつながりといった“コミュニティ”が希薄になり、周囲の変化や小さなSOSに気づきにくくなっている。児童虐待の背景には、そうした人と人の関係の希薄化も少なからず影響しているのではないかと思っています。だからこそ、私たちは“配る”だけで終わらせず、相手と目を合わせ、会話を交わし、地域の方々と触れ合う——そうしたコミュニケーションの再現こそが、この活動の最も大切な部分なのです。」

「児童虐待の報道に人々が少し慣れ始めている今だからこそ、私たちが直接人と向き合い、伝える意味がある」とも強調しました。

そして、「寒い日も暑い日も一緒に走り続けてくれた仲間に今回も心から感謝します。サンタライダーの時代から16年以上が経ち、私自身も年を重ね、『あと何回バイクに乗れるだろう』『あと何年この活動を続けられるだろう』とついにそんなことを考えるようになりました」とr顔で想いを語りました。

「バイク人口の平均年齢は55.5歳。だからこそ、我々現役世代のライダーは、かつて“不良”と呼ばれた時代や社会悪とみられた時代を過ごしたり、または作ったりしてきました。だからこそ、そのイメージをライダーとしての晩年に自分たちで後片付けをし、若いライダーたちへ社会に良い足跡を残す責任があります。残された時間を大切に、どんな足跡を残すのか?どういう“ライダーの軌跡”を刻めるかを意識しながら、これからも走り続けたい」と締めくくりました。

最後に道家代表は笑顔でこう結びました。

「来年はもっと楽しみながら、もっと笑顔で走れる活動にしていきたい。皆さんとともに、また素晴らしい一年を迎えましょう。本日は本当にありがとうございました。」


オレンジの灯に希望をのせて

道家代表の言葉が終わるころ、千葉ポートタワーがオレンジ色に染まりました。

ree

オレンジに染まったポートタワーの光が、1メートルでも遠くへ、

そして誰かの“気づき”や“行動”につながることを願って。


末筆になりますが、こちら※が最新の児童虐待相談件数の推移のグラフ。

これまでのご来賓の言葉、そして私たちの走る意味が、ここにこそあるのです。

今年の児童虐待防止標語は

「知らせよう あなたが あの子の声になる」

オレンジバイカーズもまた、その声の一つになれるよう、さらに次の10年へと走りはじめます。


※出典:認定NPO法人 児童虐待防止ネットワーク 令和4年統計データ

ご来賓紹介


開会式 来賓祝辞・ご挨拶・ご参列

千葉県健康福祉部 こども家庭対策監  石黒 真平 様

千葉県健康福祉部児童家庭課よりご参列

               児童家庭課長 高木 優子 虐待防止対策室長           佐藤 有一 様

               虐待防止対策室主事

                      安藤 隆介 様


主催者挨拶   

千葉県児童社会福祉施設協議会 事 務 局 長   馬場  敏 様

                                      副事務局長   藤巻  学 様

               顧   問  森田 雄司 様


閉会式 ご来賓祝辞・ご挨拶・ご参列 

千葉市子ども家庭支援課  課 長  宇野  貴浩 様

  主 査  椿  和浩 様

千葉市子ども家庭支援課  主 任 主 事  渡邊 奨太 様


主催者挨拶

千葉県児童福祉施設協議会  副 会 長  吉田 正浩様 協力企業及び団体 株式会社モーターマガジン社 株式会社アイズリンク 一般社団法人 MRS Club BIGONE 千葉県道路公社 東金九十九里有料道路・九十九里有料道路 山の駅 希楽里 わくわくカンパニー 株式会社塚原緑地研究所「千葉ポートタワー」  千葉県千葉港湾事務局 いすみ市岬公民館 行 政 後 援 千葉県 千葉市 いすみ市 大多喜町 


皆様のご支援、ご協力に心から感謝申し上げます。

コメント


FACEBOOK

TWITTER

INSTAGRAM

CONTACT >

Pecaemaker運営本部
 

千葉県夷隅郡大多喜町
横山2377風の村内
​BIGONE事務局

Tel: 043-308-8012
 

Peacemaker宮城支部


宮城支部長 : 鬼澤脩平
090-8616-3987
Mali: s.kizawa-eneos347@hotmail.co.jp

9ecdf2_9a0ee4a77672483594687f8d1de13e81~mv2.jpg

© 2023 by Make A Change. Proudly created with Club BIGONE

bottom of page