それでもサンタは走る。
- Peacemaker公報部会

- 2025年12月19日
- 読了時間: 11分
更新日:2025年12月28日
2025年第17回サンタライダーいすみの物語。
2025年12月10日。
開催4日前のお昼頃の天気予報は最悪だった。前日から降り出すとされていた雨は、開催当日では、サンタライダーがまさに施設へ向かって走る時間帯に降水量14mm〜20mmという予報に悪化。もはや初の「中止」を現実的に考えざるを得ない状況だった。
2025年12月11日。 この日は「2025サンタライダー」開催可否の最終ジャッジの日。前日12月10日の天気予報は夕方になると大きく変わり、回復傾向へ。スタッフ専用チャットには、各社の天気予報画像が次々と貼られ、当日の天候を必死に読み取る夜となった。
サンタライダーは原則、「雨天決行」実はこのルールを設けたのは、第2回サンタライダー開催からである。

そのきっかけは、ある年の出来事だった。
「わあ!!!今年も来てくれたんだね!!」
満面の笑みで、あの丘の坂道を駆け下りてきた少年。 彼は、記念すべき2009年・第1回サンタライダーの帰り際、こう言い放った子だった。 「サンタライダーバイバイ~!もう来んなよ!」 「どうせ来年は来ねぇ~んだろ!」
その言葉とは裏腹に、翌年も、その次の年も訪れた私たちを、
「また来てくれたんだね~~!!!」と
一番最初に丘を駆け下りて来て、一番分かりやすく、全身で歓迎してくれたのがその彼だった。

あの瞬間、誓った・・・ 子供たちは私たちを試している、そして待っている、どんなことがあっても、子どもたちの元へ走ろう。少しの雨や雪で「サンタが来ない」そんな悲しい思いや、大人を信じられなくなる経験は絶対にさせたくない。
こうして私たちは、東北を襲ったあの大震災の年も、大多喜やいすみを壊滅させると思えるような台風被害の時も、コロナが世界を震撼させた年も、サンタライダーとして、あの丘、あの町を目指して子供たちに会うために様々な弊害を乗り越えて走り続けてきた。
だからこそ今回、初めて本気で「中止」を検討するほどの天気予報に、スタッフ全員が深く悩んだ。
しかし開催3日前の夜、予報は再び回復。走り出しは雨だが、雨量は1mm〜4mm程度。さらに昼からは「晴」マークが並ぶ。
「日頃の行いが良い?サンタライダーが奇跡を起こす」
そう信じ、開催を決定した。
予報通りではないぞ?5分ごとに変わる天気
当日早朝。雨の中、サンタライダーたちが集まり始める。
「無理はしないでください。お預かりしたプレゼントや寄付金は、走れるライダーだけで必ず届けます。」
雨天決行を告知した際、参加者へ伝えた伝言とお知らせ。
それでも、雨合羽に身を包んだサンタたちが次々と集まってくる。サンタクロース姿ではないサンタライダーたち。正直、スタッフは「今日はサポートカーだけかな」と思っていた。だが、雨になんか負けないサンタが、そこには大勢いた。


今回は、bayFMなどでおなじみのDJ KOUSAKUさんも参加。いつも活動を後押ししてくれるコウサクさんが、今回は自らサンタになってくれた。
*DJコウサクさんのラジオ番組
bayFM78 HEARTLUCK (ハートラック)
集合時間帯には小雨。予報通りだ。つまり予報通りなら~
「このまま昼から晴れるはず!」そう信じ、予定より少し早めに出発。
・・・・・・・・・・が。

走り出した瞬間、まさかの土砂降り。
全身びしょ濡れになりながらも、「あと数時間で晴れる」その予報を信じ、ただひたすら走る。
予報では降水量が1mmになるはずの時間、到着したのは「野呂PA」天気予報を開いた瞬間、目を疑った。降水量14mm(激しい雨)にいつの間にか変わっている。
それでも、「昼から晴」はまだ消えていない。 これ?ほんとに晴れるの??そんな不安な気持ちを打ち消しながら
天気予報を信じて、旭方面といすみ方面の二手に分かれ、再スタート。
「この後は小雨になるって!」互いに声を掛け合い、走り出す。
もはや過酷な登山や戦場でこの先の好転を信じて励ましあう冒険家や最前線の兵士のようなサンタライダーたち。

しかし――雨は弱まるどころか、さらに激しくなり、降水量は20mm超へ。ついには「昼から晴」のマークも消え、晴れは17時以降に後退。

もはや前が見えないような大雨に、施設のすぐそばで、緊急一時避難を決断。
コウサクさんがスーパー センドウ大原岬店様にお話ししてくれてそのご厚意により、ピロティで雨宿りをさせていただいた。参加者の青い顔には、寒さと疲労がはっきりと見える。
これ以上の雨天走行は危険――
さらに強くなった雨と「昼から晴」という一縷の望みも消えたサンタライダーたちは心が折れかけていて、すぐ近くまで着てはいるのだが、もはや継続不可能、
バイクは雨が小降りになるまで待機、施設へはサポートカーのみでお届けするという苦渋の決断を下した。
心に響いたハンドベルの音色 サポートカーで施設へ到着すると、目に飛び込んできたのは、講堂一面に敷かれたブルーシート。
「濡れたままでも大丈夫ですよ」
そんな言葉とともに、温かいお茶まで用意してくださっていた。

そして、吉田園長先生からの一言。
「ハンドベルの演奏準備ができます。
せっかくなので、ぜひ聞いてあげてください。」
実はこの日、
例年ハンドベルを演奏してくれている子どもたちは「ソフトボールの試合で不在」と聞いていた。
だが――皮肉なことに、この大雨で試合は中止。
子どもたちは「サンタさんに聞いてもらいたい」その一心で、 大急ぎで施設に戻り、準備をしてくれていたのだ。
これは、車で来た数人のスタッフだけで聞いていいものではない。
寒さに耐えながら近くで待機しているサンタライダーたちにも、 どうしてもこの音色を届けたい。
急遽、スマートフォンでLIVE中継を決行。

「サンタさーーん!」
小さな画面の向こうから響く声に、全力で応えるサンタたち。
寒さにこわばっていた表情は、ハンドベルの音と子どもたちの声で、一気に笑顔へと変わっていく。
「ありがとう!!」 「ありがとう!!」 「ごめんね~~!行けなくて!!」
眉をへの字にしながら、必死に手を振り返すサンタライダーたち。
演奏は3曲。最後の曲は――「夢をあきらめないで(ZARD)」
曲が終わる頃、数分前まで20mmだった雨は、嘘のように上がり、空は少しずつ明るさを取り戻していた。
なんて皮肉で、なんて意地の悪い天気だろう。
ほんの10分、
ほんの10分早く回復してくれていれば……
みんなで、直接会いに行けたのに。
厳しい条件の中を走ってきたサンタライダーの胸に、この曲は、心の芯まで深く染み込んだ。 涙を浮かべ、「しゃくりあげちゃって、映像が揺れてたよ!」と茶化される、北海道から参加してくれたサポートカーサンタ。 寒さに震えていたサンタたちの険しい表情が、ハンドベルの音と子供たちの声で一気に笑顔へ変わっていく。
数分前の中止の判断が正しかったのか?、間違っていたのか?――その答えは今も分からない。
ただ一つ確かなのは、
子どもたちに会えなかったサンタと、サンタに会えなかった子どもたちの、あの少し寂しそうな笑顔を、私たちは今後も続いていくこの活動の思い出として、ひとつ増えた経験として決して忘れない。
来年こそはみんなで会いに行こう! 描いていた形ではなかった。けれど、確かに子どもたちには会えた。
「ありがとう!来年も、また必ずみんなで会いに来るよ!」
そんな思いを胸に、後ろ髪を引かれるような気持ちで施設を後にするサンタライダーたち。
不完全燃焼感は、正直否めない。
それでも、何より子どもたちの笑顔にリモートでも出会えたこと。会えなかったけどサンタは諦めずに会いに来た、2022年のコロナの時と同じではあるが、
その確かな手応えを胸に、
毎年食事で立ち寄らせていただいている一ノ宮サーフガーデンさんへ向かう。

冷え切っていた身体と心が、少しずつほぐれていく。食事が終わる頃、激しかった雨は霧雨へと変わっていた。
結局のところ・・・
朝の時点での最初の予報は大きく外れてはいなかったのかもしれない。ただ、分刻みで修正され変わる予報――もはや、外れた時のリスクを消すためか?実況中継のように分刻みであっという間に変わる天気予報に、惑わされ翻弄された一日。
さあ!あの場所へ戻ろう!
雨も止んできた!サンタさんたちはいまさらながら雨具を脱いで本来の姿へ!

千葉市街地をぬけて目指すは・・早朝、霧雨の中にかすんでいた千葉ポートタワー。そうスタート地点がサンタライダーのゴールである。


2009年から続く千葉サンタライダーは、千葉ポートタワーからサンタクロースの姿でスタートする。
サンタライダーの大集団は途中で3組に分かれ、各エリアの児童福祉施設へ、リーダーとともに向かう。
「子どもたちを笑顔にする」
その特殊任務を完遂し、無事故・無違反で再びポートタワーへ戻ってくる。
それは、いわばサンタクロースたちの笑顔を運ぶ“幸せのDAYラリー”だ。
ゴール後は、千葉ポートタワー周辺でサンタライダーゴミ拾いを実施。
DJコウサクさんが長年続けている「まるゴミ」活動のお手伝いとして、ピースメーカの活動にいつも多大なご協力をいただいているポートタワー周辺の清掃を行う。海岸線から公園にかけて、約1時間。感謝の気持ちを込めてゴミを拾う。

ゴミ拾いを行い・・・写真撮影までの合間にはサンタたちはポケットに忍ばせたキャンディーを訪れるファミリー観光客やカップルさんに手渡す。
「少し早いけど、メリークリスマス!」
ここでもまた、小さな笑顔と、優しい気持ちが広がっていく。
こんな雨の中・・なぜ走る?なぜバイクで向かう? こんな雨の中、なぜ走るのか。なぜ、バイクで向かうのか。 理由は、単純明快だ。
こんなにも楽しみに待ってくれている子どもたちに、 「サンタが雨だから来ない」 そんな残念な思いをさせたくない。
私たちは17年間、サンタライダーとして子どもたちの元へ走ってきた。
あの子たちは知っている。サンタは、バイクでやってくるということを。
つまりあの子たちにとっては、おとぎ話のサンタでなくとも「私たちはあの子たちにとってはサンタクロース」なのだ・・・だから私たちはバイクであの丘を目指す。サンタはバイクに乗ってやってくるのだ。
この日だけは、気持ちと心意気だけは、本物のサンタクロースになる。
そう、理由は、単純明快だ。

雨天決行、その言葉の重み
17年の歴史の中で、施設に到着しても雨だったのは、今年が初めてだった。
考えてみれば、17年間、一度も中止にならなかったこと自体が、奇跡だったのかもしれない。
「雨天決行!!」 言うのは簡単だ。
だが、師走のこの時期の雨天走行のその過酷さを分かったうえで走るサンタライダーたちの思いは、冷たい雨でえも沸騰させるほど、熱いものだ。

正直、
悪天候下でのサンタライダーは、子供たちに残念な思いをさせたくないという運営スタッフの長い歴史の中で生まれた思いだけで実施実行しているようなもの。
「今回はスタッフだけで走る」正直そんな覚悟で開催を決断しました・・・。
しかし、こんなに参加エントリー頂いたみなさんが、この過酷な条件で私たちと同じ苦難へ挑戦してくれるとは思いもしませんでした。
そして、数カ月前から楽しみにしていたにもかかわらず、あいにくの雨で参加を断念したみなさまも、わざわざご丁寧にメールを頂き、
「我々の思いを届けて来てください」と激励のお言葉を頂きました。
今回の開催はそんなサンタさんたちの思いを改めて実感し、有り余るほど感じることのできたそんな17年目の開催でした。
2025年のエントリーを頂いた
「すべて」のサンタライダーたちへ・・・
今年もありがとう、
そして心から尊敬と敬意の念をこめて
「メリークリスマス」

これは~2025年12月14日、第17回サンタライダー千葉の
いすみへ向かったサンタさんの物語。
2025年第17回サンタライダー旭(あさひ)の物語。

2025年第17回サンタライダーご協力・協賛 ご寄付・協賛を頂いた企業様 株式会社ism 住宅事業部 様 株式会社ism Art事業部 様 株式会社 Neo 様 一般社団法人Peacemaker ご寄付を頂いた活動協力金はすべて 訪問した児童福祉施設の後援会費として寄付をさせて頂きました。 食事やお菓子袋詰めなどの場所提供協力 ・Club BIGONE 大多喜風の村本店 オフィシャルサイト ➡ こちら Instagram ➡ こちら Facebook ➡ こちら ・一の宮 サーフガーデン 様 オフィシャルサイトは ➡ こちら カフェの詳細はこちら ➡ こちら 集合場所・解散場所の会場協力 ・千葉ポートタワー 様 集合場所・解散場所・ゴミ拾いなどにご協力頂きました。
スペシャルサンクス ・スーパー センドウ 大原岬店 様 サンタライダーの雨宿り場所をご提供頂きお茶の差し入れも頂きました。 ・DJコウサクさん サンタライダー開催の告知などのご協力と今回は参加ありがとうございます!


















































コメント